たぬきちのふていきぶろぐ

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【GTMF2018】VRチャット

担当者:安田氏
所属団体:モノビット

アジェンダ
① モノビットエンジンシリーズver.2.0概要
②ゲストトーク

【1.モノビットエンジンシリーズver.2.0概要】

モノビットエンジンとは
家庭用ゲーム機、VRマルチプレイを実現した通信ミドルウェア。3種類の製品がある。
①MRS
MMORPG、多人数オンラインプレイ向きサーバー
②MUN
unity特化型通信ミドルウェア
VRボイスチャット(Unityプラグイン

【1-1.MRS】
MMORPG、大規模オンラインゲーム向きのサーバー
・低遅延、高効率のリアルタイム通信制御が可能
TCPUDP、Web Socketの通信プロトコル
・20000クライアントと同時接続
・サーバー負荷減
・Win、LinuxMac OS、HTML、iOSandroid、unity、UE、visual studio対応
・暗号化でリチート対策
・拡張ライブラリで機能の拡張可能
・直感型サーバー監視ツール「Mckerel」対応
・今後、switchに2018年9月対応予定

【1-2.MUN】
・unityのみでマルチプレイ対応可能
・Win、Mac OSiOSandroidで使用可能
※家庭用ゲームはNDA締結により利用可

・サーバーサイドの構築なしでクライアント側のみで実装可能
・必要に応じ、サーバーにコードを書くも可
※このサーバー上のコードはモノビットが公開している。ただ、公開していることでチートに利用されている

・MUN、MRSでwebGL出力対応し、ブラウザゲームにも対応
・2018年冬からswitch対応

【1-3.VRボイスチャット
・MUNをベースに動作するボイスチャットエンジン(Unityのプラグイン
コンポーネントを追加するだけで実装可能
・ノイズキャンセラ機能搭載
マルチキャスト配信機能搭載(特定の人にだけ声を届けられる)※APIを使用する必要あり
・遅延音声のカット機能(音声の遅延を感じにくくする)
ボイスチェンジャーも実装可能
・2018年冬、switch対応予定

【1-4.まとめ】
1.LinuxC++、C♯を使用してゲームサーバ運用可能
2.C++で超高速サーバーが開発可能
3.日本国内開発だからサポートが充実している

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【2.ゲストトーク
講演者:山口直樹
所属団体:(株)インフィニットループ

インフィニットループは、Virtual Castを支える技術をドワンゴと共同開発。

■ Virtual Cast
Oculasとセンサーをつけ、キャラクターに自分の動きを反映できる。VRMLを使用。

VRML(3D Humanoid Avater Format for VR
ドワンゴが公開した技術
アバターに特化したプラットフォーム依存型ファイル形式

VRMLのすごい点①】
座標系の正規化(座標系の統一)を自動化
各種3Dソフトで出力したFBXデータは、実はモデルによって座標系がバラバラになっている。(各ジョイントの中心位置や角度)
このFBXデータにVRMLをかますことで、この座標系を統一することができる

VRMLのすごい点②】
ファイルの動的ロードができる

【他】
アバターの人格に関する許諾
モデルデータに「人格」という概念が存在し、この人格権を確認しながら、モデルの産みの親である製作者の意図する使われ方をしているかをチェックされる

VRMLソフトが対応しているツール
vroid、clusterなど

【開発】
・モノビットのUnity Network ing2.0を採用。Linuxサーバーを使えるため、インフィニットループが得意とする分野を生かせることから採用された。

AWSAmazon Web Services)でサーバー構築
MUNサーバー全体が閾値を越えればインスタンスを増加させ、クライアントがエラーログをキャッチしたら絶えず修正できる体制となった。
アドバイスとしては、Linux拡張ネットワーキングは使った方がお得です。追加料金なしで使えるにも関わらず効果が高いです。


モノビットエンジンを使ってみて気づいた…
【モノビットエンジンの悪いところ】
・ナレッジが少ない
ユーザー数が少ないため、問題を検索しても引っかからないことが多い
PS4未対応
(ユーザーリクエストが多いのに対応できない。ただ、モノビットの紹介では2018冬対応予定とのこと)

【モノビットエンジンの良いところ】
・日本語対応でサポートが早い
・サーバー系のトラブルがなかった

【各種問題点への対策】
・通信量削減
大量コメントを全て同期すると破綻してしまうので、初回のみ同期し、その後同期を解除することにした

・モデルデータの扱いについて
モデルデータ流出には最も気を使っており、内部でファイルキャッシュを行わないことにしている。
通勤経路はhttpsによる経路暗号化を行い、サーバー、クライアント側でデータの暗号化を行なっている

・荒らし対策
投稿されたコメントのログを追えるようにし、不適切な発言をしたユーザーを特定できるようにした